「不幸中の幸い」と「幸い中の不幸」だったら...
結局、どちらが幸せなのでしょうね。 やはり前者かなぁ。昨日、あれから私の予定は、まったく狂いました。
台風の影響により、土砂降りになると思っていた天候は、
最後の花火まで崩れることなく、持ちこたえてくれました。
それは、心から「ありがとう!」と空の神様にお礼を言いたいくらい嬉しいことなのですが...
夕方5時過ぎ、そろそろ 天ぷらを始めようかと、台所に入ったところに、
バイトから帰宅した次男がやってきた。
「バイトの宅配中に、免許証をポケットから落とした。」
更に「通ったところを再度探しながら走った(三輪バイク)けど、見つからなかった。」と。
「警察に連絡したの?」と、私。
「してない。」と、次男。
「何でしないの? 良い人が拾ってくれて、届いているかもしれないじゃない。
悪い人が拾ったら悪用されちゃうかもしれないんだよ。」と、
『良い人』とか『悪い人』とか、幼稚園児に説明するような言葉しか浮かばなかった。
自分でも、大学生向きのもっと気の利いたセリフはないものかと客観的にちゃんと感じていたけど、
ボキャブラリー不足なのかな、無理だった。
と、そんなことを言っているとき、たまたま駐在さんのパトカーがアトリエの前に停まった。
天の助け、「不幸中の幸い」だと思った。
私は、飛び出して行き、次男が免許証を無くしたことを伝えた。
駐在さんは「ここに電話して。」と一番手っ取り早い電話番号を教えてくれた。
次男にすぐに電話させた。 色々質問され、少し待たされたと思ったら、
駅前交番に届いているいうことが分かった。
身分証明書を持って、今日中に受け取りに行けば、すぐに渡してもらえるということだったらしい。
翌日になると、金庫に入れられ、また色々面倒そうだった。
私は、重々分かっているだろうことを次男にわざわざ言った。
言わなければ気が済まなかった。
「不幸中の幸いだよ。 良い人に拾われたこと。
いいタイミングで駐在さんがうちの駐車場にいたこと。 お母さんが留守ではなかったこと。
場合によっては、再発行とか 大変ことになっていたかもしれないんだからね。
自覚して、これからは、もっと気を付けなくちゃいけないよ。
戻ってくることが当たり前ではないんだからね。」と。
(ここで「お母さん...」は言わなくても良かったけど、助言者として重要な役割を
果たしていることを強調したかった。)
(私の性格をよく分かっている)次男は、程よい深さで頷いた。
この場合、余計なことを言わず、頷いておくのが時間的に一番最良であることを知っている。
私がそれを望んでいることを彼に知られていることも 私も分かっているんだから、
最終確認の儀式みたいなものだ。(笑)
「祭」より、「ミョウガの天ぷら」より、「来客」より、免許証の方が大事だった私たちは
全てをほっぽり出し、駅前交番へと向かった。
それから、駅ビルの地下で、お惣菜を買って帰宅。
結局、何一つ作らなかった。
お祭り会場にも行けなかった。
ちらっと、アトリエから花火が見えた。
今年は、そんな「青龍祭」となりました。
わざわざ交番に届けてくださった方に、心から感謝します。 ありがとうございました。よかった。