甘井りんごの5行日記

一通のメール
昨日の日記でも、ちょこっと触れましたが...

日曜日、次男が、宮ヶ瀬行きのバスの中で爆睡し、終点まで行ってしまったお話です。

以前から、「もし眠ってしまい、乗り過してしまったら、そのまま終点まで行き、
折り返しのバスに乗って帰って来なさい。 危険なので(街灯が少ない)、
絶対に途中で、焦って降りないこと。」と、言ってありました。

猛暑の体育館でのバドミントンの試合の疲れ、それに前日、塾もあり、睡眠不足だったはずです。
バスの中は、きっと快適で、深い眠りについてしまったのでしょう。
充電残量の少ない携帯で、次男は、メールをしてきました。
「寝ていて、乗り過した。 途中で降りず、宮ヶ瀬まで行った方がいいんだよね?」と。
「うん。そうして。折り返し帰って来れる?」と、私は返事を送りました。
「このバスは、終バスで、回送になるって。」と、次男から、返事。
「わかった。 お父さんが迎えに行く。 すぐに行くから、待ってて。」と、私。
この場合、私は、家に残る。 次男が帰宅してすぐに、食事にありつけるようにです。

次男は、試合会場で、3000円のヨネックスのTシャツを買ってしまっていたため、
お財布の中の残金は、2円でした。
運転手さんに定期を見せ、寝過ごしてしまったことを伝えたそうです。
「運転手さんは、お金はいいよ。」と言い、お父さんが到着するまで、バスの中に次男を
乗せておいてくれました。

お父さんの車が見えたので、次男は、お礼を言い、バスを降りたそうです。
バスは、すぐに、移動してしまいました。
車の中で、詳しい事情を聞いた配偶者(お父さん)は、運転手さんに、
お礼が言いたかったようですが、もう姿はなかったみたいです。

翌日、配偶者は、バス会社に、お礼のメールを送ったそうです。
でも、私は、それを知りませんでした。

今日、自宅に、そのバス会社の上役らしき方から、電話がありました。
「わざわざ、お礼のメールをいただき、ありがとうございました。
 運転業務に就いていた者を始め、従業員一同、とても有り難く思っております。
 これからの、励みになります。 今度とも、どうぞ宜しくお願い致します。
 どうもありがとうございました。」と。

あ、配偶者がメールしたんだ...と、すぐに分かりました。
「多分、主人がメールしたんだと思います。 こちらこそ、ありがとうございました。
 息子も、心細かったと思いますので、助かりました。
 毎日、通学に利用させていただいています。 これからも、宜しくお願いします。」と、私。

人って、いいな~  って、思いました。
感謝の気持ちは、こんなふうに、表現しないと、やっぱり伝わらないんだな。とも思いました。

配偶者が、お礼のメールをしなければ、どんなに感謝の気持ちを持っていても、
相手の運転手さんには、伝わりません。
もちろん、その方の上司にも。

また、バス会社の方が、メールのお礼の電話を、自宅にくださらなければ、
あちらの気持ちも分からないし、私は、この一件を知らず終いでした。

一通のメールが、皆を幸せにしました。

私は、配偶者に聞きました。「どうして、メールにしたの?」と。

配偶者は、こう答えました。
「電話だと、流されそうだけど、メールだと残るでしょ。
 運転手さんまで、ちゃんと、感謝の気持ちが届くと思って。
 それに、その人、上司に、褒めてもらえるかもしれない。」

なるほどね。 確かに...。
一字一句、間違いなく、相手に伝わるメール。

たかが、メール。 されど、メール。 です。

自分のメールが、だれかを幸せにしていたら...それは、それは、嬉しいことでしょう!
思っているだけでは、相手に伝わらない人間の身体の構造を、
補ってくれるものかも知れないですね。

ま、それだけに頼るのは、良くないですけどね。



http://www.youtube.com/watch?v=Wi9cg0STOsk

      (You Tube) 榊原郁恵「バス通学」