甘井りんごの5行日記

昭和23年に買ったバケツ
晴天の空の下、水洗いしました。
銅製のバケツは、底脇に穴の開いた年季の入ったもので、

昭和二十三年一月 價三九五 宮

と、書いてありました。

義母に尋ねましたら、昭和の後に記されている「草かんむり」のような字は、旧漢数字の「二十」だそうです。
そして、「價」は、「価」のこと。つまり、このバケツは当時395円で購入したということ。
義父の父親は、どんなものにも購入価格を書いておいたそうです。
戦後まもなくのこの時代は、金属製のバケツはとても高価なものだったのでしょうね。

「宮」というのは、我が家の昔の屋号。
宮の湯という温泉宿を営んでいたので、その省略サインです。

こんなにバケツを何のために使っていたのか、不思議に思いました。
火消しのためだったのか、と義母に聞いてみましたら、
温泉宿から、その後、精米店となった我が家は、杵臼で大量の餅をつくため、餅米を水に浸すのに、このバケツを使っていたそうです。

その商売をやめた後、これらのバケツは使わなくなったのでしょう、そのまま精米所(木工場)の奥に仕舞い込んでいたということです。
このように記しておくものですね、歴史が残ります。


銅製のバケツ以外は、外側だけ白いペンキを塗りました。
薄く、そしてムラに。
乾いたら、少し紙ヤスリを掛けて、レトロ感を出します。
アトリエのゴミ箱として利用します。

ついでに手作りの本棚と小物入れも塗っておきました。