私が聞いたのは、事後報告だった...。
長男(大学2年生)が、午後4時頃、帰宅した。
大学へは、自家用車で通っている。
昨夜は、友人のお誕生日会で、「遅くなる。」ということだった。
でも、帰って来なかった。(時々、友人宅に泊まることもあるので、心配もしていない。)
息子は、アルコールにアレルギー反応がでるため、お酒類は、一切口にしない。
帰ってくるなり、「お母さん、犬の血がついた服を洗濯してほしい。」と言った。
「何で? どうしたの?」と、嫌な予感がした。
昨夜1時ごろ、車で、友人一人を家に送る途中、パコーンと何か、音がしたらしい。
息子は車を止めて、辺りを見回すと、黒い犬が、雨の中、道路に座っていたそう。
足から、少し、血を流していた。
深夜、走る車からは、黒い犬は、ほとんど見えなかった。と言う。
犬は、首輪はしていたものの、つながれてなく、家も飼い主もわからなかった。
彼らは、警察に電話して、どうしたらいいのか、相談した。
動物の救急病院を教えてもらって、車の後部座席に乗せ、連れて行った。
医師に話し、手当をしてもらう。
怪我をした理由を話したら、医師は、「なかなか、こんなふうに連れて来てくれる人はいない。」と、
治療費を半額にしてくれたらしい。(保護扱い...みたいなのがあるみたい。)
それでも、2万円強はして、バイト代を下ろしたばかりの息子にとっては、大金だったはずだ。
一緒にいた友人は、授業があるため、息子は、学校に行くことを勧めた。
息子の方は、今日は授業がなかったため、飼い主が病院に来るまでいようと思ったらしい。
幸いにも、首輪には鑑札があり、医師は、連絡をとってくれていた。
どうやら、夫婦で、熱海旅行に出掛けている留守中に、犬が逃げ出したらしい。
飼い主が現れ、息子は全てを話した。 謝った。
飼い主は、こう言ったそう。「君が悪いわけじゃない。犬をすぐに病院へ連れて来てくれてありがとう。
治療費は、すべてこちらで払います。」と。
息子が先に支払ったお金も、戻してくれた。
そして、「急変は無いと思いますが、3日のうちに連絡がなければ、大丈夫だったと思ってください。」
と、言ってもらったそうだ。
その間、息子は、お父さんとは、何度か、電話でやり取りをしていたらしい。
でも、私に言うと、過剰に心配するので、結果が出てから話そうと、息子は考えた。と言う。
声を発せず、黙って息子の話しに耳を傾けていた私の第一声は、こうだった。
「犬をちゃんとつないでおかない飼い主が悪い。
太一を一方的に責めるような出方をしたら、お母さんは、黙ってはいない。」と。
母親は、駄目です。
我が子のことになると、客観的に物事を考えられなくなります。
冷静な判断はできません。 子供を守ろうとする本能が異常に働きます。
父親との役割が違いますから...それは、それで、いいのだと思います。
うちの息子たちも、どちらに、相談すればいいのか、そのケースによって、ちゃんと考えています。
しかし...
我が家にも、2匹の犬がいます。
もし、リードが外れ、逃げ出してしまった時に事故が起きたとしたら...
私も、その車に責任は無いと考えます。 攻める気持ちはもちません。
かえって、嫌な思いをさせてしまって、申し訳ないと思います。
やはり、犬を飼う者の責任として、首輪とリードは、定期的にチェックしなければいけません。
まして、旅行に出る時は、なおさらです。 残された犬は、平常心ではないはずです。
でないと、痛い思いをする犬が一番可哀想です。