甘井りんごの5行日記

実母の様子
実母が倒れてから約一週間。
医師から経過説明があるというので、弟に同行し(家族一人しか病院に入れないのなら、二人羽織りで一人に見せかけてでも私は直接医師の話を聞きたいと思いました)病院に行きました。

前日の医師からの電話では「せん妄(もう)が続いていて、昼と夜がよく分かっていないみたいです。」とのことでした。
せん妄というのは、手術後などに生じる一過性の精神症状のひとつで、一時的な意識障害を起こし、記憶障害など認知機能障害を生じる状態のこと。
高齢患者がせん妄を発症する確率は10∼30%程度と報告されていて、複数の疾患を抱え、身体予備能力の低い高齢者ほど発症率は高くなるそうです。

母は、手術はしていませんが、脳内出血を起こし救急で運ばれ、処置当日は思考回路がはっきりしていたものの、日数が進むうちにこれを発症したのかも知れません。

昨日、病院で母に会うまでは、悪い想定のみを頭に入れ、どんな姿であってもそれ以下はないという気持ちを私は強く作っていました。


病棟の廊下、車椅子を押され、こちらに向かって来る母を遠くに見つけました。
私は駆け寄り、大声で「おかあさん!」と叫んだようです。(後に弟に叱られました。)

母の口から、「タカコ!!」 が出ました。
私はもう涙が止まらなかったです。

「サトルも来てるよ!」と、カウンターで手続き中の弟を指差すと、
母は「向こうから二人の姿が見えた」と答えました。

続けて母は、「看護師さんたちが皆良くしてくれるの。この人は○○さんで、この人は□□さん。」
「今日は、4月10日。 タカコの電話番号は○○○ー○○○○。 ちゃんと答えられるよ。 心配したでしょ?」と続きました。
まるで、今まで溜めていた記憶を吐き出すような感じでした。

私は、母の手を取り、驚きと喜びで涙が止まりませんでした。

気丈な弟は、冷静を装っていたけど、マスクの中では笑みが止まらなかったと思います。
弟の言ったことばは端的で、「よかった。」「安心した。」「ほっとしたよ。」

これから、先のことをまた考えていくわけですが、周りの人にサポートして頂きながら、その時その時の最良の方法を選択して行こうと思っています。


この↑画像の走り書きは、母の血圧を下げる薬の袋にクリップで留めてあったものです。(母の筆跡)
その日、早くその薬を飲んでいれば...と悔やまれます。


さて、私は今日もマスク作りです。
また50枚のオーダーを頂いたので、頑張りますよ。